意地悪なきみの隣。



話してると思い出しちゃって、顔が熱くなるのがわかった。



「へっ……へえ〜〜?」



話終わると、陽菜ちゃんはニヤニヤしていた。


ふんふん、へー、あ、なるほどね〜なんて言いながら焼きそばを頬張る陽菜ちゃん。


陽菜ちゃんまでおかしくなったよー!


私は真剣なのにっ‼︎



「どうして…あんなことしたのかなあ」



空を見て少し考えてみるけど、全然わからない。



「郁〜。そろそろ中島の気持ちと行動の意味、気づいてやんなよ?」



「き、気付くって……何を?」



さっきまでニヤけてた陽菜ちゃんが小さく寂しく笑う。


やっぱり陽菜ちゃんは中島くんの次に不思議で、どういう意味か理解できない。


何に気づけば、中島くんの全部がわかるんだろう。



「中島と喋ってないんだ?」



「うん…。あれから、話しかけてこなくなっちゃったの。意地悪だってなくなったし、部活ばっかり」



別にね?
意地悪言ってほしいとかバカ扱いしてほしいってわけじゃないよ。


だけどね、なんだか物足りないんだあ…。


1部がなくなっちゃったみたい。

どうしてだろう…。



「どうして、キスなんて……。しかも、話もできないんだよ…」


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