意地悪なきみの隣。
「にーしーのっ」
「どうしたの?」
休み時間に入ると、高橋くんが私のもとへやってきた。
私の前の席のイスにまたがるように座って、私の机に頬杖をつく。
「大和とそろそろ話してやってよ。アイツ変なんだけど」
親指で遠くにいる中島くんを指す。
その親指の先を辿って中島くんを見るとあの日のことが頭をよぎる。
「き、き、きっと何かあったんだよっ…!ほら、中島くんって不思議な人だしっ…」
顔が熱くなるのがわかる。
ほら、私まだまだ気にしてる。
キスされた日からどれだけたっても全然薄れていかないで、記憶にはっきりと残っている。
「……お前さあ、隠すの下手だな〜。隠さなくても俺一応、大和の友だちだし?それなりには聞いてるっての」
ふうっと呆れたようにため息をついた。
そ、それはきっと、キスをされたことも……ってことだよね?
「は…話せないよ。だって中島くんが私を避けてるんだもん…」
話してやってよって言われても、避けてるのは中島くんの方なんだもん。
話したくても私の近くすら通らないもん。