意地悪なきみの隣。
「俺が何で西野にキスしたか、教えてほしい?」
「うん…」
「だったら…」
そう言って、私から離れてカバンをもう一度かつぐ。
私に背中を向けた中島くんは数歩歩いてまた私の方を見た。
とても、切なそうな顔をして。
「俺が誰か気付いたら教えてあげる」
中島くん。
もう私、今まで以上に中島くんがわからなくなったよ。
あなたは……誰なんですか?
そこまでして私に気付かせたいもう1人の中島くんがいるの?
私はただ、前みたいに笑っててほしいだけなのに。
私はまた、中島くんで頭がいっぱいになっちゃうよ。