意地悪なきみの隣。



今思うと、この学校に入学してすぐに中島くんと仲良くなったなあ。


初めて話しかけられたのって確か



『西野〜バカって言葉の意味、わかる?』



だった。


私の5月考査の点数を覗き見した上にこの言葉。


初対面にしてすっごいひどかった。


何この人!って思ったけど、なぜか嫌じゃなくて


むしろ楽しい…?っていうのかな。


よくわからないけど、嫌ではないんだ。


わからない、でも、きみが隣にいるのが当たり前になっていて。


寂しいんだ。



『へ〜西野でも課題終わったんだ』



そうやってバカにしてくるきみも、



『今日はキツネ以外も回ろうか』



そう、不思議なことを言うきみも、


いてくれなきゃ、つまらないんだ。



どうしてこんなこと思ってるのかなんて全然わからないけど


今わかるのは、



中島くんといる時間が私にとってとても大切なものだってこと。


< 67 / 214 >

この作品をシェア

pagetop