意地悪なきみの隣。
た、大変って…?
「紘樹…それ以上言ったら殺すよ?」
「はいはい、さーせんでしたーっと」
こうやって2人の掛け合いを近くで見るのも久しぶりで何だか嬉しい。
「まあ、これからもいいコンビよろしくね?郁ちゃんと大和くん?」
「……お前まで敵にまわんのか、市倉」
「あ、いつかはコンビじゃなくてこいび……いったああぁい!」
陽菜ちゃんの言葉を遮るように、大和くんはチョップをした。
それを見て私は笑う。
うんうん、みーんないつも通りだ。
変わったのは『大和くん』って呼ぶようになったことくらいかな。
「ほら、もーチャイムなるから」
大和くんは陽菜ちゃんと高橋くんの背中をグイグイと押して席へと座らせる。
やめてよーっ、なんて言う陽菜ちゃんと
なんだよ大和っ、なんて言う高橋くんの隙をついて私を見て、ふにゃっと笑う。
ードキッ
まただ。
バカな私でも気づくんだよ。
その笑顔は私にしか見せないって。
あの頃と同じように可愛く笑う大和くんを見られるのは私だけなんだって。