ちょっぴり恋して
「ここでいい?」

私をソファへそっと下ろしてくれた。

「ふぅ、大荷物だったな。」

「くすっ。」

私は彼の言葉に笑った。

「小野さん、ありがとうございます。」

ピピッ、ピピッ。

とPCが鳴った。

「何?この音?」

「パソコンの着信音です。会社からメールが届くと鳴るんです。」

「へぇ、携帯みたいだな。家で仕事をしているのか?」

「はい、翻訳をやっているんです。」

「へぇ、すごいな。何、これ?」

PCの並びにもう一つ棚があり

ガラスケースの中でペットを飼っていた。

小さなグリーンイグアナだ。

珍しく動いていた。

流木の枝の上をソロソロとゆっくり移動した。

ペタペタした足が何とも可愛くて

明るい黄緑色のこの小さなトカゲに魅了されたのだ。

たまにチロリと細い舌を出したり

餌の花を食べる時にパクリと開ける歯のない口が

またくすぐったいように可愛かった。

ガラスケースの中は一年中ライトを照らし温かくしてあった。

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