ちょっぴり恋して
俺は彼女の声にゾクッとした。

これ以上ここにいない方がいい。

自分を抑えられなくなったらマズイ。

「じゃ、俺は帰るよ。足の痛みが時間を追ってひどくなるようだったら病院へ行った方がいい。まだ腫れてないようだから骨に異常ないと思うが。」

「小野さん?」

「何?」

「ありがとう。とても助かりました。」

「いや、じゃ、お大事に!」

俺はバッグを担いで外へ出た。

駅まで歩いた。

クラブへ戻るか

このまま家へ帰るか迷った。

取りあえず駅のトイレで着替えた。

隣駅で降り

駅前のスタバで一服しようと思った。

俺には彼女を想い始める自分の気持ちがあった。

さっきは張り裂けそうな

何かとてつもなくヤバイ気分に襲われたのを飲み込んで

どうにかまともに退散できたのだ。

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