ちょっぴり恋して
俺は車で竹中未由の家へ向かった。

足首が治ってないのだろうか。

あれから一週間だ。

少し気になった。

インターフォンを鳴らした。

「はい、どちら様ですか?」

「小野です。」

「小野さん?どうぞ!」

声は元気そうだ。

仕事が忙しいのだろうか?

五階へ上がった。

「足の具合が良くないのかと思って。」

俺は頼まれた荷物を渡した。

「小野さんに頼むなんて、かおるさんらしい。どうぞあがって。後で夜に行こうと思っていたの。」

「今日は夜間クラスが入ってないから、カウンターも閉めたよ。」

「本当?かおるさん、そんなこと言ってなかったけど。」

「彼女も忙しそうだったよ。」

「そう、お礼をするわ。何がいいかしら?」

「別にいいよ、礼なんて。」

「でも、この間のこともあるし。二度もお世話になってしまったから。」

「じゃ、俺からリクエストをするよ。」

「何かしら?」

「君が欲しい。」

「えっ?」

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