ちょっぴり恋して
俺は小野元哉。

テニスクラブでコーチをしていた。

俺のクラスに新人が入ったから

ネームを取りにコートからエントランスへ急いだ。

二重のガラスドアの奥から

見かけない顔の小柄な美人がこちらへ向かってきた。

俺はクラブのメンバーじゃないな

と思いながらその女とドア中ですれ違った。

ん?

桃の匂い?

香水か?

チラリと振り返って女の後ろ姿を見送った。

細い足首だ。

俺のクラスにはあんな脚をしているヤツはいないな。

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