ちょっぴり恋して
「小野さん?」

「えっ?」

「大丈夫ですか?」

「何でもない。それより痛む?」

「動かさなければ痛くないです。」

「そう。」

竹中未由。

ヤバイ女だ。

今一瞬おかしな気分になった。

「運転できる?」

「運転はできても歩けないかも。どうしようかしら?ゆっくり行けば何とかなるかも。」

「仕方がない。俺が家まで送ろう。さっ、立って。」

「小野さん、レッスンはどうするんですか?私ならどうにかしますから。」

「今日の午後は入ってないから大丈夫だ。」

「でもそんなご迷惑をかけてしまっても。」

「俺なら構わない。立てる?」

「はい。」

小野さんはテニスウエアのまま

大きなラケットバッグを私の車の後部席へ置いて

私を助手席に座らせた。

そして私の車を運転した。

「痛っ、今までで一番ひどくしちゃったみたい。」

「やっぱり病院へ寄ろうか?」

「いいえ、家で様子をみます。」

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