幸せの歌
もちろん男子からも先生からも人気は高く、非の打ち所がない人間だった。本当、私とは住む世界が違うような人。
その日以来、私はよく彰悟と話すようになっていた。ゲームの話、先生の悪口言って笑ったり、ばかな話ばかりしていた。私の彼への想いは徐々に強くなっていったけどその気持ちを伝える事は絶対になかった。
小学校6年生の頃。悲劇は訪れた。クラスの中でよく話していた晴香と理沙に私のついていた嘘がバレたのだ。
『ねえねえ、あんたあれ全部嘘なんでしょ?』
晴香が言った。
『あれってどれ?』
私はふざけたように答えた。
『しらばっくれてんじゃないよ。幽霊見えるとか言ってたじゃん。嘘なんでしょ?』
あーその事か。そう思った。

あの頃はまだ子供でたぶんそーゆ小さい嘘も許せなかったんだと思う。
今思えばかなり笑い話なんだけど。
『あ、ごめん。なかなか言い出せなくて。』
私はそう言った。
『ごめん、じゃないし。あたしら散々騙しといてなんかの?もう絶交だから。』
そう言って私の前から居なくなった。
晴香ばっか喋って理沙はなんも言わなかったな…。
理沙はいつもそうで、良く言えば誰とでも仲良く出来る人なのだけれど、悪く言えば八方美人タイプ。みんなにいい顔をする。だからさっきも何も言わずにつっ立っていたのだろう。理沙が本当はどう思ってるかなんて分からない。ただ晴香が絶交と言ったなら、理沙も絶交とゆうことなのだろう。
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