幸せの歌
めんどくさいからそれ以上考える事はやめた。その日はふつーに家に帰った。
家には誰もいなかった。いつものことだ。私の家は母子家庭で母親は私が小学4年生の時に彼氏ができてそれ以来毎日のように彼氏に会いに行っていた。兄は学校で私より帰りが遅いから、もちろん家に帰れば私一人だった。学校のことを話せる人は一人もいなかった。

次の日いつも通り学校に行った。晴香と理沙は完全に私を無視していた。晴香がいないとこでは理沙は普通私と話をした。それがどーしようもなく腹が立った。めんどくさかったし一人でいることにした。別に一人でも構わなかった。そんな上辺だけの人といるより断然ラクだった。たまに一人で席に座ってる私を見て彰悟が話しかけに来てくれた。話題はいつもくだらない事ばっかだったけど彰悟の裏表のない笑顔に癒された。
晴香達と絶交して半年くらいがたった頃だった。クラスの席替えでなぜか晴香と同じ班になった。なんの嫌がらせだろう、いじめられんのかな、そんな事ばかり考えていた。
『私が同じ班にしたのー』
晴香がそう話しかけてきた。意味がわからなかった。
『ふーん』
そう適当に返した。どーゆ風の吹き回しだろうか。私の頭の中はクエスチョンマークでいっぱいになった。
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