空色の鳥へ願う
 お兄ちゃんは青い鳥に殺されたんだ。

 全部私のせい。

 空がきれいなんて思ったこと、本当は一度もない!

 お兄ちゃんが帰ってくると信じたかったから毎日そう言ってただけ!

 おじいちゃんだって言ってたじゃない!前に、青い鳥を見た年にも伝染病がはやってたくさんの人が死んだって!

「青い鳥なんて、青い空なんて、青い目の私なんて、みんな―――」

 だいっきらい!!

 少女はその瞬間、水にうつる少女をみて、びくりと身体をふるわせました。

 小川の少女が、少女に向かって大嫌いと言っていたからです。

 少女はその時ようやく気づきました。

 自分が、自分自身を一番拒絶していたことを。

 村人たちが少女に「こっちにくるな」と言ったとき、少女自身も頭の中で「そうだ、私なんて、みんなに近づいちゃいけない」と言っていたのです。

 また同じ年の子供に「青い目なんて気持ち悪い」と言われたとき、少女も「そうね、こんな青い目の私なんて気持ちわるい」、そう言っていたのです。

 誰も味方がいないときこそ、一番近くにいる自分が自分のことを味方しないで、苦しい世の中を生きていけるでしょうか?

「私が一番、あなたのこと嫌ってたのね」

 少女は水にうつる怒ったような表情の少女に向かって言いました。

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