空色の鳥へ願う
 空色の羽。空色のくちばし。空色の瞳。

 どれも真昼の陽光を浴びて、キラキラと光っています。

 それはまさに光の色。

 空の色でした。

 大鳥は風を巻き上げながら大地に降りてきました。

 少女は着地した空色の鳥から降りてきた少年に抱きつきました。

 少女の瞳からは涙が溢れ止まりません。

 嗚咽まじりに、半年間話せなかった言葉を、一生懸命吐き出していきました。

 どれくらい時間が経ったでしょう。

 少年は少女が持ってきた樽に小川の水をくみ、それを鳥の足に結びつけ、再び大鳥に飛び乗ると少女も鳥の背に引っ張り上げました。

「しっかりつかまってろよ」

「まって」

 少女は顔をこわばらせながら少年を振り返りました。

「青い鳥なんて村に連れて行ったら、みんなに何されるか分からないよ」

 少年はニヤッと笑いながらそれに快活に答えます。

「こいつはどんな傷だってあっという間に治せるんだ。みんなの流行病だって絶対に治せるさ。そうすればもう皆、青色を恐れたりしなくなるよ」

 少年の合図と共に、青い鳥はゆっくりと舞い上がりました。
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