甘い悪魔が笑うのは

「…あ ごめんなさいっ……」

女子たちは急に見せた入谷くんの暗い笑みに驚いたのか

怖気づいたのか

さっと 歩いて行った。

「さてと
俺は帰るから お友達ちゃんによろしく」

入谷くんは

少し長めの茶色い前髪を揺らしながら

つぶやく。

「ありがとっ…入谷くん!」

そう言って私も軽く笑うと

真子のもとへ走って行った。

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