復讐クラブ
「じゃあ、いっくよー!」
メイが新聞紙を首にまく。しかし、新聞紙は口に挟まり、息をするのが難しくなってしまった。
「ん゛~!」
私は、必死に抵抗をした。足で机を蹴り、新聞紙を指で引っ掻いて破ろうとした。しかし…
「ぐっ、おい!お前ら!抑えろ!」
上沼がそう号令を掛けると、約10人程がゾロゾロと来て、私の手足を床に抑えた。
「うぐっ」
私は椅子から床におとされ、体を打った。上沼らしき人は、私の髪を持ち、掃除のロッカーに頭を押し付けた。
息ができない。苦しい、やめて。その感情が頭の中でぐるぐると回る。
私の意識が朦朧としてきた。もう、このまま消えてしまいたい。
「ヤーレっ!ヤーレっ!」
女子達の甲高い声と、ジョキ、というハサミの音を最後に聞いて、私の意識は途絶えた。
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「…だ!き…だ!………北田さん!」」
私の名前を呼ぶ声に、ハッと目を覚ました。
ガバッと起き上がると、見慣れた保健室…ではなく、教室を小さくしたような…そんな感じの部屋だった。
「やっと起きたんだね!ふー…よかった!安心したよ!」
目の前にいたのは、前髪パッツンのボブの女の子だった。
「ヒャッ…あ、え、…っと」
「あーごめんごめん、私は……1-B組の上野サラ!」
なんてことだ…年下に助けてもらったなんて…え?どうしてここにいるんだろう。普通だったら保健室にいるはず…
「どうして私はここに…」
「あー…えっとね、廊下にぶっ倒れてたから、この部室に運んできたんだ!」
「え…?あ、あ、えっと、ここなんの部?」
私がそう問いかけると、勢いよくドアが開く音がした。
「あ…起きたんですね…こんにちは…」
「こんにちわ!」
部屋に入ってきたのは、大人しそうな女の子と、ちょっとイってる女の子。
「おかえりー、どうだった?」
「えーと…代償は払ってもらったよ」
何か、異質な会話。私は、興味深々であった。