___Hate you.~ピリオドは君が~
まだ明るく、それでも薄っすらと陰りだした校舎内。
下の階からは、楽しげな吹奏楽部の音色が聞こえてきていた。
上の階・・・・・・4階では、何をしているのか、ずっとガヤガヤと騒がしい。
それもどれも、自分の気持ちを沈めるのには十分だった。
窓辺に佇みながら、昨夜の出来事を思い返す。
ぼんやりと、そんな頭で外を眺める。
・・・・・・たったの、一人で。
自分の目に、クロアゲハの赤い羽根模様がチラつく。
目の前をひらひらと飛ぶそれは、いつの間にか視界から消えていた。