恋のはじまり
ほんと、課長は良い人だ。
そんな課長の優しさに感動してるいると、
ふと、ある事に思い着いた。


寝た、だけ?

一応どちらも、成人した男女である。
よくラブコメでも酔った勢いで、というシチュエーションも多くある事だし…。

い、いや!私が、そうだったらいいなとか思っている訳ではなく、そこは、まぁ、やっぱり気になる所で…。

課長と私は、どこまで…?

さっきのベットにいた時の事を思い出してしまって、青くなっていた顔が今度はボンっと赤くなる。

そんな時にコーヒーのおかわりを持って課長がやってきた。赤くなっている私の顔を見て、

「どうした?! 顔赤くなってるぞ。具合でも悪くなった?!」

「ち、違います。大丈夫です。ただ、気になって…。」

「何が?」

「あ、あの……。」

聞こうにもどう切り出せば、いいのか?はっきり聞くべきか?でも恥ずかしい!
けど聞かなきゃはっきりしないし…。

意を決して、聞いてみた。

「あ、あの。課長と私は、同じベットで寝ただけでしょうか? そのぉ、…他には何かあったりなんかはしちゃったのでしょうか?」

言い終わると更に顔が真っ赤になった。

課長はちょっと驚いた顔をしてから吹き出した。

「あー、その心配をして赤くなってたんだ。そっか。ふふふ。
そこは大丈夫。ただお互い眠ってただけだから。だから心配しないで。
それとも何かあった方が良かったかな?


そう言っていたずらに課長は笑ってみせた。

「そ、そんなんじゃありません!」

慌てて言い返すも課長は楽しそうに笑っている。

とりあえず何も無かったようでホッと胸を撫で下ろした。
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