恋のはじまり
最後の言葉をゆっくりと噛みしめるように西山君は言った。わざと私に分からせるようにゆっくりと、最終通告のように。
言っている事は至極正論で正しい。西山君の言葉は優しく言っているが、今のボロボロの私には鋭いナイフのように言葉が刺さってきた。

ーあんたは課長に似合わないんだから!
さっさと、諦めな!ー

私にはそう聞こえてきて、思い知らされる現実に悲しくなってまた涙がボロボロと溢れてきた。
< 66 / 74 >

この作品をシェア

pagetop