恋のはじまり
その電車のドアの窓の所には、いつかの時と同じように課長がドアに肩を預けて横向きに立って外を見ていた。
以前一緒に帰った時と同じシチュエーションに、驚いた。
でも今はその時とは課長と私の関係は違っていた。

また手を振って微笑む課長が見たいけどそれは今は叶わない。
課長の顔を見ると切ない気持ちが込み上げてきて油断するとまたすぐに涙が零れてきそうになる。
< 73 / 74 >

この作品をシェア

pagetop