あの夏の光の中で、君と出会えたから。【旧・あの花続編】
「うん、それでいいよ。

電車で3時間くらいはかかるから、覚悟しときなよ?」




『ぜんぜん平気。

たった3時間で海が見れるなんて、知らなかった………』




百合はしみじみと呟いた。



なんだろう………可愛いな。



こんな気持ちになったのは初めてだった。



見た目が可愛いとか、そういうのじゃなくて。


なんて言うんだろう………うまく言葉にできないけど、心が可愛いっていうか。



女の子に対して、そんなふうに思ったことなんて、一度もなかった。




俺は初めての不思議な感覚に戸惑いながら、「じゃあ、また明日」と言って電話を切った。



次に会う約束をして電話を切るって、すごく浮き浮きする。



明日は何を着て行こう、と思いつつ、俺はクローゼットのドアを開けた。





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