あの夏の光の中で、君と出会えたから。【旧・あの花続編】
「ちょっと待ってよ。

俺、行くなんて、まだ一言も………」




父さんの眉がぴくりと上がった。




「夏休みには大きな大会もあるんだ。

それに向けて、今必死に練習してるし……これ以上サッカーする時間が減ったら、どんどん下手になっちゃうよ」



「………そんなにサッカーばっかりやっていて、将来どうするつもりなんだ」



「母さんにはさっき言ったけど………俺、プロになりたいんだ。だから………」



「プロなんて、そんな簡単になれるわけないだろう!」




父さんがいきなり怒鳴り声を上げた。


俺は気圧されてしまい、言葉を止める。




「社会はなぁ、そんなに甘くないんだ。

夢ばっかり見ていて、学歴も資格もスキルもなくて、まともな仕事にも就けずに落ちぶれていく人間が、ごまんといるんだ。


お前もそんなふうになるつもりなのか?」




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