あの夏の光の中で、君と出会えたから。【旧・あの花続編】
…………そんなの、言われなくたって分かってるよ。



プロになるのがどんなに大変か。


それは、普段からサッカーに触れ合っている俺のほうが、父さんや母さんよりもよっぽど理解している。



それでも、俺はサッカーで食べて行きたいんだ。



途方もない夢かも知れないけど………。


夢を見て何が悪い?




俺は百合の言葉を思い出した。




『夢が見れるのって、将来の夢があるのって、すごく幸せなことだよね』




『もしも日本が今みたいじゃなくて………例えば、戦争してる国だったら………。

子供たちは夢どころじゃない。

生き抜くのに必死で、将来の夢なんて考える暇さえないもん。


………だから、当たり前みたいに、夢があるとかないとか言えるのって、本当に幸せなことだと思う』




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