天才少年と完璧少年…そして普通少女
俺様VS優男VS美少女
「美夜から離れようか?矢坂、与永?」
「り、立華ぁ!!」
結羽と与永が睨み合っている間にいる私を助けてくれたのは、もう一人の幼馴染みで救世主、芽伊留立華。
珍しい苗字で、よく先生方に苗字を聞かれたりするのが嫌みたいだが…
私の苗字の方が嫌だわ!!
「…で、矢坂。何喧嘩うってるんだよ…
美夜嫌がってるだろ」
「…知るか、何で来たんだよ。芽伊留」
立華と結羽は、めちゃくちゃ仲が悪い。
幼馴染みだが、二人とも顔を合わせる度、酷い言い合いになる。
「美夜の心の悲鳴が聞こえたんだよ」
え、何それ?心の悲鳴なんて聞こえるもんなの?
「何だそれ、てか誰だよ」
与永が口を挟んだ。
「…もしかして立華の事知らないの?」
「知らないね」
「嘘!?こんな美少女の事を知らないの!?有り得ない!!」
そう、立華はめちゃくちゃ美人。しかも可愛さも持ち合わせている。
結羽と並ぶと、誰もが認めるカップルと言っても大袈裟ではない。
まぁ、そんな立華にも欠点と言うのがある…
それが…
「テメェふざけんじゃねぇぞ?これ以上美夜泣かせてみろ。目ん玉ぶち抜くぞ」
そう、かなり口が悪いのだ。
この口の悪さで、何回両親を泣かせたか…。
立華の長い綺麗な髪は、怒りに任せ、大きく揺れていた。