いけてない私の育てかた
私達はまずボーリング場に行った。

ゴロゴロゴロ ガッシャーン


「うわー、凄い音。」

BGMとレーンを転がる音に倒れるピンの音で耳が少し塞がったみたいになる。

私がレーンの方を見てる間に手際よく受付を済ませてくれた。

「あっ、ごめんなさい。私ったら。見とれちゃって。」


「ううん。早乙女さん本当に初めてなんだね。
ほらっ、靴を借りに行こうか。」

靴を履き替えて佐藤くんとボールを選んでレーンに戻ると、

「早乙女さん投げ方わかる?」

そうだった。初めてのボーリング場に興奮してたけど私投げ方知らなかったんだ。


「いえ、知りません。」

クスッ

なに?

今笑うとこ?あっそっか、今時投げ方も知らないなんて笑えるよね。

「あーあ、ここまで頑張ったのに早乙女さんペナルティー1ね。」

ペナルティー?なんの事?


「今敬語使ったでしょ?」


……


「あっ!」

しまった。つい言ってしまった。


「まあ、罰ゲームは後でまとめてすることにして、とりあえず投げ方教えるね。」


「まとめる?」


「うん。だってこの先もやるでしょ。早乙女さんなら。」


うっ、否定できない自分が情けない。
< 53 / 66 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop