いけてない私の育てかた
やってしまった。

気がついたら時にはもう時既に遅し。

彼女達の顔がみるみる赤くなっていくのがわかった。

「な、何よ!メデューサのくせに。」

この場合メデューサは関係ないと思うけど。

彼女達の1人が立って私の前で手を上げた。

あっ、ぶたれる。

そう思ったのと同時に


パシン!

カラン

私の目の前にチカチカと銀色の星が舞う。

一瞬何が起きたのか分からなかったけど左の頬がジンジンしてきて熱を帯びてくるとビンタされたんだとわかった。

教室中の皆が一斉にこちらを向く。それに気付いた彼女達は自分達の立場が悪くならないよう


「早乙女さんって酷い。

何もあんな事言わなくてもいいじゃない。」


「そうよ。わかいそうに真実。手痛くなかった?」


いやいや、痛いのは私の左の頬なんですけど。

すっかり悪者にされた私は教室に居たくなくてメガネを探して出ていこうとすると、


「はい、これ。」

私の目の前にくろぶちメガネが現れた。


「ありがとうございます。」

お礼を言って顔を上げるとそこには佐藤くんが。危なく目が合うところだった。

いや、それより今のビンタ見られたんだ。

「ご、ごめんなさい。」

メガネを受け取って走って教室から出ていった。
< 8 / 66 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop