お菓子な男の子
「そろそろ何にするか決めないと」


話を切ったのは真島くん。
ハンカチのことやプラネタリウムのことを話しているうちに、あっという間に順番は回ってきた。注文は次だ。


「あ、トイレ行きたくなってきちゃった!私はプリン・ア・ラ・モードのやつね!アンちゃん注文お願いしまーす‼」
「リンゴっ‼もぅ、勝手なんだから……」
「自由で自分に正直なのが林檎ちゃんのいいところなんだよ」


真島くんのフォローに、少し心を静める。ほんと、真島くんって女の子に優しいよね。千夜先輩みたいなわざとらしさもないし。


「杏奈ちゃんはどうする?」
「私は今週限定のやつ!この店ね、最近できたんだけど毎週限定の味出しててさ!それがすごくおいしいの!本当は毎週来たいくらいなんだけど……って、ごめん……ひとりで話して……」
「ううん。すごくクレープが好きなんだね。こういう杏奈ちゃんってなかなか見れないから嬉しいな」


好きなもののことになるとつい興奮して話しすぎちゃう私。そういうとき斗真だったら“うるさい”ってしか言わないから、“嬉しい”なんて言われると……


「僕が注文して受けとるから、杏奈ちゃん、食べる席とってて」
「あ……あ、うん!ありがと!」


なんて反応すればいいのかわかんなくなるよ……。
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