お菓子な男の子
ホームルーム、1時間目、2時間目と、いつも通りの時間が過ぎる。


私は一応成績がいいほうだし、勉強が嫌いなわけじゃないから、授業は好き。
この高校は、ちょっとした進学校。でも、校則も厳しくないし、授業のスピードもちょうどいい。


「ねぇねぇ、アンちゃん」
「なに?」


4時間目の授業中、後ろからリンゴが声をかけてきた。
小さい声で対応する。


「これ見て」
「ぶっ……」


リンゴが見せてきたノートには、古典の先生の顔がアップで描かれていた。ちょうど、今授業をしている先生。はげてて、唇が厚くて、変なひげが生えてて……滑舌がよくないのか、語尾は「○○でしゅ」。顔の横には「古典だいちゅきでしゅ」と書かれている。


「ちょっ……リンゴ、これ…ww」
「似てるでしょ?似てるよね~w」
「ヤバいから、腹筋壊れるから見せないでww」
「古典だいちゅきでしゅ~」
「リンゴ‼」


こんなことしてたら当然……


「諸星、雨宮、何してる。静かにしなさい!授業中でしゅ!」
「っっっ~~ww」


不意打ちの本物、我慢するのが辛かった。
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