お菓子な男の子
放課後、また部活があった。2日続くなんて珍しい。朝はリンゴと登校したし、今日は珍しいことづくめだ。


「さて今日は、天文部合宿流星群観察ツアーのことについて連絡。このあとスポーツ大会や期末考査もあるからさ、早めに知らせようと思ってさ」


千夜先輩が司会として進行していく。


そう、中間考査も終わり6月の今、スポーツ大会を控えている。運動部に入ったことはないし、そんなに運動が得意ではない私にとってはどうでもいい行事だ。そろそろクラス内でも選手決めがあって、放課後や休日のクラス自主練習が始まる。


期末考査は重要だ。7月の上旬にある。授業の進度的に新しい範囲は狭いけど、中間考査前の内容の応用がけっこう出されるから、難易度は上がる。加えて3年生は実力テストもある。


「日にちは、8月10日に出発して、その日と11日の夜は宿泊、12日に帰ってくるって感じでいいかな?移動は電車、宿泊場所はペンション“きさらぎ”。詳しい日程とか持ち物とかはこの紙にまとめたから見て」


ひとりに1枚、紙が配られる。まるで修学旅行のしおりみたい。


「これ、千夜先輩が書いたんですか?」
「あぁ、一臣と一緒にね。昨日連絡したら一臣張り切っちゃってさ」


今日は生徒会はないらしく、部活に参加している久喜会長が嬉しそうに紙を見ている。
そういえば久喜会長って天文部……だっけ?


「なにか質問ある?なければ解散にするけど」


特になくて、たった15分ほどで部活は終わった。
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