お菓子な男の子
「そっか。林檎ちゃんの家から」
「うん。斗哉くんの着くだいたいの時間聞いてたから、そろそろ家に戻っておこうって思ってさ。それで駅歩いてたら斗哉くんいるんだもん!びっくりしちゃった」
「予定より早く着いたんだ。でもここで杏奈に会えてよかった」
斗哉くんは駅のロッカーの前で止まると、中にスーツケースを押し込んだ。お金を入れ閉まったのを確認すると“行こうか”と私に手を差し出した。
「えっ……」
「動物園!今日は1日、俺に付き合ってよ。杏奈といっぱい遊びたいんだ。ほら、次来る電車に乗るよ」
「で、でも!おばさんたち、家で待ってるんじゃ……それに斗真も……」
「心配ないよ。昨日メールで話してあるから」
そういうと私の手をギュッと握った。なんだかなつかしい。こうしていつも手をひいてくれてたっけ。でも前と違うのは、顔が熱いこと。
斗哉くんは知ってか知らずか、私を見てにっこり笑った。
「それに……」
「ん?どうしたの、斗哉くん」
「いや、なんでも。あっほら電車来るよ!切符は買ってあるから」
何もかも準備のいい斗哉くんにつれられて、私もホームに急いだ。
電車には間に合い、並んで席に座る。隣には斗哉くんがいる。
「斗哉くん、どうして動物園なの?」
「杏奈好きだろ?動物園」
「うん、好きだけど……」
でも一番好きなのは星だって、斗哉くんも知ってるでしょ?
確かに昔、斗哉くんと斗真と3人で遊びに行くときは動物園が多かった。そこは小さな遊園地もあって、十分楽しい。
だけどそこを選んでいたのは、星に興味がない斗真も一緒だからだと思ってた。
「なつかしいだろ?俺が大学生になる前の春休みにさ、最後に3人で行ったのも動物園だろ?だから帰ったら、今度は杏奈と2人で行きたかったんだ」
「そっか……うん!楽しみだな、動物園!すっごく久しぶり」
「楽しもうな?今日は、2人で」
ん?やたらと斗哉くんは“2人”を強調するなぁ……なんでだろ?現にここには2人しかいないのに。
「うん。斗哉くんの着くだいたいの時間聞いてたから、そろそろ家に戻っておこうって思ってさ。それで駅歩いてたら斗哉くんいるんだもん!びっくりしちゃった」
「予定より早く着いたんだ。でもここで杏奈に会えてよかった」
斗哉くんは駅のロッカーの前で止まると、中にスーツケースを押し込んだ。お金を入れ閉まったのを確認すると“行こうか”と私に手を差し出した。
「えっ……」
「動物園!今日は1日、俺に付き合ってよ。杏奈といっぱい遊びたいんだ。ほら、次来る電車に乗るよ」
「で、でも!おばさんたち、家で待ってるんじゃ……それに斗真も……」
「心配ないよ。昨日メールで話してあるから」
そういうと私の手をギュッと握った。なんだかなつかしい。こうしていつも手をひいてくれてたっけ。でも前と違うのは、顔が熱いこと。
斗哉くんは知ってか知らずか、私を見てにっこり笑った。
「それに……」
「ん?どうしたの、斗哉くん」
「いや、なんでも。あっほら電車来るよ!切符は買ってあるから」
何もかも準備のいい斗哉くんにつれられて、私もホームに急いだ。
電車には間に合い、並んで席に座る。隣には斗哉くんがいる。
「斗哉くん、どうして動物園なの?」
「杏奈好きだろ?動物園」
「うん、好きだけど……」
でも一番好きなのは星だって、斗哉くんも知ってるでしょ?
確かに昔、斗哉くんと斗真と3人で遊びに行くときは動物園が多かった。そこは小さな遊園地もあって、十分楽しい。
だけどそこを選んでいたのは、星に興味がない斗真も一緒だからだと思ってた。
「なつかしいだろ?俺が大学生になる前の春休みにさ、最後に3人で行ったのも動物園だろ?だから帰ったら、今度は杏奈と2人で行きたかったんだ」
「そっか……うん!楽しみだな、動物園!すっごく久しぶり」
「楽しもうな?今日は、2人で」
ん?やたらと斗哉くんは“2人”を強調するなぁ……なんでだろ?現にここには2人しかいないのに。