お菓子な男の子
でも斗真はそれ以上聞いてこなかった。私が話そうとしないからだろう。歩きながらちらちら見てくるくらいなら、聞けばいいのに。
……聞かれてもうまく話せないだろうけど。斗真はどこまで知ってるのかな、お父さんのこと。
"やっぱ邪魔だったわ、金平兄弟" 真島くんのあの言葉も引っかかっている。
「ねぇ、斗真」
「ん?」
「あのさ、その……私のお父さんのこと……」
「あ?おじさん?」
どこまで知ってるの?知ってたならどうして言わないの?何も知らない私をどう思ってた?斗哉くんはどうなの?斗真はどう思ってる?真島くんのことは……?
聞きたいことはいっぱいあるのに……
「ごめん、やっぱなんでもない」
「……そうか」
また無言の時間が続く。
気兼ねするような間柄ではないはずなのに、肝心なことはまるで聞けない。話せない。
だんだんと家が近づいてくる。
「ねぇ斗真!」
「なんだよ」
先に着くのは斗真の家。それじゃあと玄関を開けようとした斗真に、私は声をかけた。
ドアノブに手をかけたまま、斗真が振り向く。
知りたい。聞かなきゃ。でもなんて?このタイミングで私……
「……いつからだろうね。私が真島くんのことを亮くんって呼ばなくなったの。斗真が亮輔って呼ばなくなったのも。どうしてだろうね」
これしか出てこなかった。
「……………さぁな」
長く感じた間のあと、一言だけポツリと呟き、斗真は家の中に消えていった。
……聞かれてもうまく話せないだろうけど。斗真はどこまで知ってるのかな、お父さんのこと。
"やっぱ邪魔だったわ、金平兄弟" 真島くんのあの言葉も引っかかっている。
「ねぇ、斗真」
「ん?」
「あのさ、その……私のお父さんのこと……」
「あ?おじさん?」
どこまで知ってるの?知ってたならどうして言わないの?何も知らない私をどう思ってた?斗哉くんはどうなの?斗真はどう思ってる?真島くんのことは……?
聞きたいことはいっぱいあるのに……
「ごめん、やっぱなんでもない」
「……そうか」
また無言の時間が続く。
気兼ねするような間柄ではないはずなのに、肝心なことはまるで聞けない。話せない。
だんだんと家が近づいてくる。
「ねぇ斗真!」
「なんだよ」
先に着くのは斗真の家。それじゃあと玄関を開けようとした斗真に、私は声をかけた。
ドアノブに手をかけたまま、斗真が振り向く。
知りたい。聞かなきゃ。でもなんて?このタイミングで私……
「……いつからだろうね。私が真島くんのことを亮くんって呼ばなくなったの。斗真が亮輔って呼ばなくなったのも。どうしてだろうね」
これしか出てこなかった。
「……………さぁな」
長く感じた間のあと、一言だけポツリと呟き、斗真は家の中に消えていった。