お菓子な男の子
「千夜先輩……ですか……」
「あからさまに残念そうな顔しないでよ。泣いちゃうよ?俺」


そういう、本気か冗談かわからないところが苦手だ。それに面倒くさい。
私が今会いたいのは真島くんだ。


「ひとり?林檎ちゃんは一緒じゃないの?」
「いつも一緒ってわけじゃないです。たまにはひとりになりたいこともあります」
「じゃあ金平も真島もいない……と」


仮に真島くんが現れたとしても千夜先輩がいたんじゃ話もできない。
ほんとに帰ろう。


「それでは先輩、また部活があったら……」
「待って、杏奈ちゃん」


後ろから肩をつかまれた。
イヤな予感……


「一緒にプラネタリウム見ない?次の回のチケット、ちょうど2枚あるんだ」
「いえ、私は帰……」
「ね?あと30分くらい、ここにいる時間延びたって大して変わらないでしょ?」


根負けした。
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