お菓子な男の子
千夜先輩と2人で見るプラネタリウムは初めてだった。
それに今回の上映は、今日始まったばかりの新しい内容のものだった。ストーリー展開に目も心も奪われた。
上映はあっという間だった。
ホールを出て、エレベーターに向かう。
「花梨から聞いてはいたけど、いい作品だったね」
「すごく感動しました。ありがとうございます。でも、よかったんですか?」
「なにが?」
見れたことはよかったんだけど、気になっていた。
千夜先輩、最初からチケットを持っていた。2枚。
「私と見る予定じゃなかったんじゃないんですか?それこそ、花梨ちゃんとか。そのもう1枚のチケットは……」
その質問に、千夜先輩のあいまいな笑顔が帰ってきた。なんとも言えない空気が漂う。
……聞いちゃいけなかったのかな?
1階に降りるエレベーターに乗りこんだ。
「ひとりで見るつもりだったんだ」
千夜先輩が唐突に口を開いた。
「花梨には誘われてたよ。事前上映ですごくよかったから、一緒に見ようって。でも今日は断ってたんだ」
気のせいだろうか。千夜先輩の目が揺らいでいる。
その目が、私と合った。
「もう1枚のチケットは、姉さんの分。今日は、姉さんの命日なんだ」
チン、という音とともに、エレベーターのドアがあいた。
それに今回の上映は、今日始まったばかりの新しい内容のものだった。ストーリー展開に目も心も奪われた。
上映はあっという間だった。
ホールを出て、エレベーターに向かう。
「花梨から聞いてはいたけど、いい作品だったね」
「すごく感動しました。ありがとうございます。でも、よかったんですか?」
「なにが?」
見れたことはよかったんだけど、気になっていた。
千夜先輩、最初からチケットを持っていた。2枚。
「私と見る予定じゃなかったんじゃないんですか?それこそ、花梨ちゃんとか。そのもう1枚のチケットは……」
その質問に、千夜先輩のあいまいな笑顔が帰ってきた。なんとも言えない空気が漂う。
……聞いちゃいけなかったのかな?
1階に降りるエレベーターに乗りこんだ。
「ひとりで見るつもりだったんだ」
千夜先輩が唐突に口を開いた。
「花梨には誘われてたよ。事前上映ですごくよかったから、一緒に見ようって。でも今日は断ってたんだ」
気のせいだろうか。千夜先輩の目が揺らいでいる。
その目が、私と合った。
「もう1枚のチケットは、姉さんの分。今日は、姉さんの命日なんだ」
チン、という音とともに、エレベーターのドアがあいた。