お菓子な男の子
3人が驚いた声をあげた。
「どうしたんですか?」
「だって林檎ちゃん!最上階って5階だよ?」
「エレベーターもあるし…」
千夜先輩と真島くんが必死になって止めている。普通逆じゃない?
女の子が走るって張り切ってるのに、男の子が嫌がるって…
「あんな混み混みのエレベーター、順番待ってたら間に合わないでしょ!」
「……走ります」
「おい、もう35分過ぎてっぞ」
「急ごっ‼」
リンゴの号令で、私たちはて走り出した。人をかき分けて進む。
走ることを決めたのは私たち女の子だけど、やっぱり体力は男の子のほうが上。だんだんと足が動かなくなってきた。特に階段って……もう無理‼‼
「おい」
「な…なに?斗真……」
「手ぇ出せ」
「え……なんで…?」
「いいから!」
私が出した右手を、斗真の左手がつかんだ。その手はすごく力強くて、でも痛くなかった。
「いくぞ」
「う、うん」
斗真が私を引き上げるように走っていく。さっきよりも階段が楽だ。
もともとの重力に私の体重が加わって大変だろうに、斗真は……
「ありがと」
私は、聞こえないようにボソッとお礼を言った。
「どうしたんですか?」
「だって林檎ちゃん!最上階って5階だよ?」
「エレベーターもあるし…」
千夜先輩と真島くんが必死になって止めている。普通逆じゃない?
女の子が走るって張り切ってるのに、男の子が嫌がるって…
「あんな混み混みのエレベーター、順番待ってたら間に合わないでしょ!」
「……走ります」
「おい、もう35分過ぎてっぞ」
「急ごっ‼」
リンゴの号令で、私たちはて走り出した。人をかき分けて進む。
走ることを決めたのは私たち女の子だけど、やっぱり体力は男の子のほうが上。だんだんと足が動かなくなってきた。特に階段って……もう無理‼‼
「おい」
「な…なに?斗真……」
「手ぇ出せ」
「え……なんで…?」
「いいから!」
私が出した右手を、斗真の左手がつかんだ。その手はすごく力強くて、でも痛くなかった。
「いくぞ」
「う、うん」
斗真が私を引き上げるように走っていく。さっきよりも階段が楽だ。
もともとの重力に私の体重が加わって大変だろうに、斗真は……
「ありがと」
私は、聞こえないようにボソッとお礼を言った。