お菓子な男の子
やっと最上階にたどり着いた。
「ふぇ~疲れたぁ…」
リンゴが息を切らしながら言った。
私もヘトヘトだよ……。プラネタリウム見るためにこんなに走ったのは初めて……。
千夜先輩も真島くんも斗真も、全くもって平然としているのが不思議だ。
「……っ………はぁ…はぁ………っはぁ………」
「大丈夫か?杏奈」
「まあまあ……斗真が手、引っ張ってくれたから……」
「……っく」
まだつながれていた手を見せると、急に斗真の顔が赤くなって、パッと手をはなされた。
自分から提案してきたくせに照れるなって。
鑑賞券を配ろうと人数確認すると、1人足りない。
「あれ?久喜会長は?」
「そういえば、階段上ってる時から見てないような……」
真島くんも辺りを見渡す。
その時、チンッと音がしてエレベーターのドアが開いた。
「ありがとうございます」
「こちらこそ、ベビーカー運んでもらえて助かりました」
「お気をつけて」
「えぇ、どうもありがとうございます」
ベビーカーを押し、去っていく女性。それを見守るように見送る久喜会長。
唖然とする私たちに、悠々と近づいてきた。
「どうした?豆鉄砲をくらった鳩のような顔をして」
「今の……」
「あぁ。エレベーターにベビーカー乗せるのに苦労していてな。手伝ったら一緒にエレベーターに乗れた」
「一臣ってなんか、いつも要領がいいよな……」
「人助けの恩賞だ」
いつもクールに乗り越えてて、苦労する久喜会長って見たことないなぁって、しみじみ思った。
「ふぇ~疲れたぁ…」
リンゴが息を切らしながら言った。
私もヘトヘトだよ……。プラネタリウム見るためにこんなに走ったのは初めて……。
千夜先輩も真島くんも斗真も、全くもって平然としているのが不思議だ。
「……っ………はぁ…はぁ………っはぁ………」
「大丈夫か?杏奈」
「まあまあ……斗真が手、引っ張ってくれたから……」
「……っく」
まだつながれていた手を見せると、急に斗真の顔が赤くなって、パッと手をはなされた。
自分から提案してきたくせに照れるなって。
鑑賞券を配ろうと人数確認すると、1人足りない。
「あれ?久喜会長は?」
「そういえば、階段上ってる時から見てないような……」
真島くんも辺りを見渡す。
その時、チンッと音がしてエレベーターのドアが開いた。
「ありがとうございます」
「こちらこそ、ベビーカー運んでもらえて助かりました」
「お気をつけて」
「えぇ、どうもありがとうございます」
ベビーカーを押し、去っていく女性。それを見守るように見送る久喜会長。
唖然とする私たちに、悠々と近づいてきた。
「どうした?豆鉄砲をくらった鳩のような顔をして」
「今の……」
「あぁ。エレベーターにベビーカー乗せるのに苦労していてな。手伝ったら一緒にエレベーターに乗れた」
「一臣ってなんか、いつも要領がいいよな……」
「人助けの恩賞だ」
いつもクールに乗り越えてて、苦労する久喜会長って見たことないなぁって、しみじみ思った。