お菓子な男の子
「いないとこで人の悪口言ってんじゃねぇよ」
ムッとした顔の斗真は、なんだか子どもみたいだ。
「あぁ、ごめんごめん。いつものクセでつい」
「いつも言ってんのかよ!」
「まぁいいじゃん。それで?なんか用?」
急にバツの悪そうな顔に変わる。本人は気づいてるか知らないけど、斗真はすぐ顔にでるからわかりやすい。
「いや…別に……ただ……」
「どうせポスター作りできなくて逃げてきたんでしょ」
「……そんなんじゃねぇし」
「斗真はここのパンフレットの整理して。私が代わってあげるから」
「……おう」
今度はちょっと明るい表情。やっぱりわかりやすい。笑いそうになるのをこらえてパンフレットを手渡す。
「“おう”じゃなくてお礼は?」
「……あ、ありがと……な」
「素直」
「うるせぇ‼」
「あはははっ‼‼」
斗真の百面相に、私はこらえきられなくなった笑いをはき出した。そしてリンゴに説明したあと、受付裏すぐの事務室に入った。
入った瞬間、私の笑顔は消えた。どんよりと重い空気に飲み込まれた。いくつか並んだ机には、2人の職員さんが座っていた。そして奥の机には、うつむく人影。
「えと……真島くん?久喜会長?」
「あ、杏奈ちゃん……」
「よくきてくれた、諸星」
それはイヤな歓迎だった。猛烈に斗真がうらめしくなった。
ムッとした顔の斗真は、なんだか子どもみたいだ。
「あぁ、ごめんごめん。いつものクセでつい」
「いつも言ってんのかよ!」
「まぁいいじゃん。それで?なんか用?」
急にバツの悪そうな顔に変わる。本人は気づいてるか知らないけど、斗真はすぐ顔にでるからわかりやすい。
「いや…別に……ただ……」
「どうせポスター作りできなくて逃げてきたんでしょ」
「……そんなんじゃねぇし」
「斗真はここのパンフレットの整理して。私が代わってあげるから」
「……おう」
今度はちょっと明るい表情。やっぱりわかりやすい。笑いそうになるのをこらえてパンフレットを手渡す。
「“おう”じゃなくてお礼は?」
「……あ、ありがと……な」
「素直」
「うるせぇ‼」
「あはははっ‼‼」
斗真の百面相に、私はこらえきられなくなった笑いをはき出した。そしてリンゴに説明したあと、受付裏すぐの事務室に入った。
入った瞬間、私の笑顔は消えた。どんよりと重い空気に飲み込まれた。いくつか並んだ机には、2人の職員さんが座っていた。そして奥の机には、うつむく人影。
「えと……真島くん?久喜会長?」
「あ、杏奈ちゃん……」
「よくきてくれた、諸星」
それはイヤな歓迎だった。猛烈に斗真がうらめしくなった。