お菓子な男の子
「本日はご来館ありがとうございます。みなさまにご連絡いたします。当館はあと30分で閉館となります。お帰りの際はお忘れもののないよう、お気をつけてお帰りください。繰り返します。本日は……」
「はっ‼」


閉館30分前のアナウンスに、私は我に返った。


「これっていつまで作れば……」
「んー、来週の月曜日かな?」


呉さんは予定のびっしり書かれたカレンダーを見ながら答えてくれた。
今日は木曜日。明日と土日も合わせれば、6枚くらい……


「悪いけど、ポスター制作に当てられる時間は今日明日だけだから。休日はイベントの手伝いで忙しくなると思うし」


間さんはパソコンに向かいながら、呟くように言った。空耳かと思うくらい。


「あれ、そうなの?」
「わかるでしょ」
「予定組んでる羊子ちゃんが言ってくんなきゃわかんないって。そっか……6枚……」


無理だ!明日だけで6枚完成させるなんて!たった1枚の原案作るのに2時間かかってるのに。パソコン使えない久喜会長は悪いけど役に立たなくなるし……つまり明日、真島くんと2人で1から作ることになる。


「大丈夫ですよ。6枚くらい」
「え?」


声の主は真島くん。


「真島くん!何言って……」
「来週の月曜までならできます」
「真島くん!」
「あ、ほんと?じゃ、お願いしまーす」
「え!?」


何を考えているのか、慌てる私を見てニコッと笑う真島くんの目はキラキラしていた。
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