お菓子な男の子
「じゃあ今日はお疲れさまでした!気をつけて帰ってね。明日もヨロシクね!あ、そういえば今日は何か困ったことはなかった?心配なこととか……明日からも来てもらえる?もう嫌ってことはない?私たちスタッフもまだ未熟だから行き届かないところもあると思うけど、基本的にいい職場だから……」
「シュウちゃん、バイバイ!また明日ね!」


栗村さんはやっぱり話すのが苦手みたい。あのアナウンスとかプラネタリウム上映の解説をしてるのが栗村さんなんて信じられないくらい。


花梨ちゃんが話を切って、私たちは帰路についた。


「どうだった?アンちゃん」
「宿題が多くてどうしたらいいか…」
「宿題?」


斗真をにらみながら事の次第を説明した。


「明日、私も手伝うよ!久喜会長さんが斗真くんと一緒に受付すればいいと思う!」
「それ助か……」
「気持ちはうれしいけど、大丈夫だよ?林檎ちゃん」
「亮輔くん?」


真島くんは私たちの後ろからひょこっと顔を出した。


「受付が男2人なんて、せっかく星を楽しみにきたお客さんの気持ちが萎えちゃうよ。かわいい林檎ちゃんは受付に残るべきだよ」
「え?か、かわいい……うん!受付がんばる!」
「もうリンゴ!真島くん、大丈夫って言うけど根拠あるの?」


真島くんはまたニッコリ笑った。


「あるよ?」


それ以上は聞けなかった。
< 62 / 181 >

この作品をシェア

pagetop