お菓子な男の子
千夜先輩が話を続ける。


「花梨がうちに来て勉強会する予定だったんだ。来客1人が4人になったってたいして違わないし」
「全然違う‼彼女と2人きりのベッドからただの部員と雑魚寝じゃ、天地ほど……いや地球とMACS0647-JDほどの差があるっ‼‼」
「MA……え?」
「知らないんですか、アンちゃん先輩。地球から最も遠いとされる天体ですよ」


いや知らないよ‼天地くらいでいいじゃん‼


「花梨、泊まる気でいたのか?つか彼女じゃないからな?」
「そっか許嫁だったね!だから当たり前でしょ。見てよ、この荷物」
「泊まる……あっ!今日は私、リンゴの家に泊まって勉強会することにしてたので。真島くん、ポスターはなんとかして私3枚作るから、あと2枚よろしく!ほらリンゴ起きて!行くよ!」


みんなで千夜先輩の家に泊まることになったら……いろいろ面倒なことになりそう‼‼
早く立ち去ろう。これが一番効率のいい結果につながるはず。


「同じ勉強会だったら俺んちでも変わんないよ。それとポスター作り、俺も手伝うから。今夜みんなで協力して、ポスターも勉強も片付よ」
「いや……」


結構です、って言おうと思ったんだけど……


「お願い、杏奈ちゃん。花梨と2人きりは苦手なんだよ。杏奈ちゃんとなら全然かまわな……」
「わかりました、わかりましたから!」


花梨ちゃんのおかげで千夜先輩との接触は減ったけど、花梨ちゃんの性格と先輩の懇願ぶりを見たらちょっと気の毒に思えてきた。じゃっかん最後の一言で揺らいだけど。


「じゃあおじゃまします。リンゴも一緒に」
「杏奈ちゃんとポスター作んなきゃだから僕も。コンペイくんは何も関係ないからバイバイ」
「ふざけんな‼杏奈が……いや勉強会だったら俺も参加だ!」
「ちょっと先輩たち、邪魔しないでくださいよ‼」
「ふぇ?」


リンゴが起きました。
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