お菓子な男の子
「コンペイくんがわがままだから、床に寝ることになっちゃったよ」
「じゃあお前が蹴られてこい、真島」
「布団持ってきてやったお礼言わないなら黙って寝て。もう1時近いんだけど」
「最初から客室使えば早ぇ話だったろ」
「だからコンペイくんは客じゃないって」
「しつけぇな‼」


また千夜煌vs金平斗真が始まるのか?


「客室を使わせたくない理由があるんだよ」
「「理由?」」


理由……その言葉に2人は反応した。
争いには発展せず、しんみりとした空気に変わった。


「3つの客室はもともと使われてた部屋なんだ」
「秋田さんみたいな執事さんとか?」
「いや。おじいさんとおばあさん……それと母さん」
「母さん?」


真島亮輔が首をかしげる。


「チヨ先輩のお母さん、部屋変えたの?」
「俺の言った母さんは父さんの前妻。小学4年の時に死んだ、俺の産みの親のこと。母さんが死んだあと、母方だったおじいさんとおばあさんは出ていったよ」


そこまで話すと千夜煌は電気を消した。
部屋は暗くなり、それ以上話したくないと言っているようだった。
でも金平斗真にはその空気が伝わらなかった。


「客室になる経緯はわかった。そんで使わせたくない理由ってなんなんだよ」
「ここまで聞いてわかんないのか!?金平、お前バカだろ、やっぱり‼」
「バ、バカじゃねぇよ‼‼」


だいたい察することができると思うが、金平斗真には理解できなかったようだ。
真島亮輔はため息をついた。千夜煌もため息混じりに口を開いた。
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