お菓子な男の子
「これってなんていうんだろ……四つ巴?」
「そんな言葉あるの?勝手に作んないでよ、チヨ先輩」
「ほかになんて言えばいいんだよ」
「杏奈争奪戦か?」
「デリカシーないよ、コンペイくん」


3人の話し合い(?)は続く。


「なんにしても、杏奈ちゃんは俺がもらう」
「杏奈ちゃんの気持ち、チヨ先輩に全然向いてないから」
「真島だって同じ立場だろ!」
「「コンペイくんよりは可能性あるから」」
「ふざけんなっ‼‼」


久喜一臣はこの光景、いや声を楽しんでいた。


「宿泊会の醍醐味は色恋話をして盛り上がること。達成できてよかった。次の目標はみんなが幸せになること……だな。これこそ、青春の醍醐味だ」


呟くような久喜一臣の声は、3人には届いていない。それでも久喜一臣は満足げに微笑んだ。


時計の針は3時を示そうとしていた。
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