お菓子な男の子
「……泊まる?おい!特典ってなんなんだ!?」


リンゴの言葉にすばやく反応する斗真。あぁ、そうだった。斗真には教えなかったんだ、特典の内容。


「おい、杏奈……」
「聞いたまんまだよ?宿泊券。夏休みに星を見るために、ペンションに泊まることになってたの」
「このメンツで、か?」
「そう、このメンツで」
「な……んな………」


斗真はワナワナしている。
1度千夜先輩の家にみんなでお泊まり会してるんだから平気でしょ?なんでそんなに……あ、なんかあったのかな?だとしたら、すごく気になる……


千夜先輩がニヤニヤしながら斗真に声をかける。


「知らなかったの?そんなにイヤならさぁ、コンペイくんは不参加にしたら?」
「そうだね。こういうイベントのライバルは1人でも減ったほうがいいからね」
「戦いに金平は必要不可欠だろう。でなければ観客側としても面白くない」
「え?四つ巴じゃないの?一臣の立ち位置ってそっちなの?」
「俺のこと勝手に決めんな‼参加する、絶対参加だっ‼」


真島くんと久喜会長も絡んでいく。
あの4人、やっぱり何かあったんだ。ライバルとか四つ巴とか、よく意味はわかんないけど……やっぱり気になる。


最近、迷惑だったはずの男の子たちの喧嘩が楽しくなってきている。そんな自分がいることに驚きもあるけど。


「いつまでもここにいたら邪魔になるし、帰りましょ」
「そーだねー」


花梨ちゃんとリンゴの言葉を皮切りに、私たちは帰路についた。
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