お菓子な男の子
久喜会長の強い希望で、結局焼き肉を食べにいった私たち。
人数の都合上、2年生でひとつのテーブルを囲むことになった。


「ボランティアの特典、焼き肉食べ放題券とかのほうが良かったんじゃねぇの?」
「それ、ボランティア関係ないじゃん」
「いいだろ、星関わんなくても。学生は食ってなんぼだろ」
「アンタだけだって。てか斗真食べすぎ」


焼きもせず出来上がったお肉を次々と口に放り込んでいく斗真に、私の言葉は届いてなさそう。
苦々しい顔をしながら、真島くんはお肉を焼いていく。


「ねぇそれ杏奈ちゃんと林檎ちゃんの分なんだけど。コンペイくん、食べないでくれる?あっ、その肉まだ焼けてないって!よく見てよ、赤いじゃん!」
「うるせぇな、俺の腹はこんくらいじゃ壊れねぇよ。心配すんな」
「心配してんじゃなくて、後で僕のせいにされたくないんだよ!」


なんだか平和だなぁ。明日もテストあるってこと、忘れてないかなぁ。


「はいコウちゃん、ア~ン」
「ひとりで食べれるって!」
「はいチヨ、アーン♡」
「一臣おかしくね!?ハートついてる気がすんだけど!?」


あっちのテーブルも楽しくやってるみたい。ある意味、千夜先輩ハーレム状態。
千夜先輩と久喜会長って本当に仲がいいんだなって思う。


みんなといる時間が多くなってわかってきた。
真島くんは優しい人。
千夜先輩は素直な人。
久喜会長は陽気な人。


斗真は……
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