メガネ殿とお嫁さま
「僕は、
君と結婚する気はありません。」
僕は、
何度言ったか分からない台詞を吐いた。
「はい!承知しております。」
もう、彼女もそんな言葉で動揺したりもしない。
それは、それで問題なのだが。
「僕はこの1ヶ月、
君が僕を諦めるための期間だと考えている。
君は、この1ヶ月、
僕が君との結婚を認めるかもしれない期間だと考えている。
そうだろ?」
僕が、そう言うと、
彼女は、こくこくと縦に首を振った。
「相手の意見を無理やりに変えようとしても無理だと昨日分かった。
だから、目的は違えど、
この1ヶ月フェアに行こうと思う。」
僕は、珍しく背筋を伸ばして言った。