メガネ殿とお嫁さま
「つまり、
もう、君がここにいることを
とやかく言わないし、
君も期待をかけすぎず、
“まずは”ではなく、
期間は1ヶ月だと理解してほしい。
お互いの目的達成のパーセンテージは
置いといて、
君が1ヶ月後、
ここを去るか留まるかは
フィフティフィフティ。
そうお互い考えるようにしたい。」
僕がそう言うと、
彼女の顔がぱぁっと華やいだ。
「あ、ありがとうございます!」
彼女は口元を覆った。
「だから、
1ヶ月ここで住む以上、
まずは、しなければいけないことがある。」
僕はそう言って、
布団のシーツと画鋲を
彼女の前に差し出した。