メガネ殿とお嫁さま
「理太ちゃん、
せっかくの綺麗なお顔が
今日も台無しだね。」

要くんはそう言って、
にじりにじりと
近づいてくる。

「うるさい!
近づくな!」

要くんは、
僕よりも背が高い188cm。
明るい色をした髪は、
少しだけクセがある。

均等についた筋肉と、
スラリと伸びた手足。
華やかな顔の造作に、
日野原家同様旧華族である
君島堀家らしい振る舞い。

社交界の花と呼ばれている。
つまりは、王子様というやつだ。

こいつらの何が嫌かって、
この眩しすぎるオーラと、
麗しいほど溢れる品格、
そして、一般常識から
100億光年離れた
おめでたい金銭感覚である。

「ま、いっか。
せーのっっ!!」

要くんが号令を出した。

い、


いやな予感しかしない!!
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