メガネ殿とお嫁さま
「俺、会社継ぐし。
それなりにちゃんとやるし、
沙羅を金で困らせないくらいには。
沙羅は馬鹿だけど、
割り切れるよ。
ずっと馬鹿お嬢様やってきたんだから。
俺がいい夫には、
絶対なれないしな。」
要くんは言った。
「そうだね。
僕と要くんは違う。」
要くんは能力もあるし、
覚悟も出来ている。
でも、僕は、
家を継ぐかもわからないし、
継いでも人の言うことを聞くだけだ。
生きる屍だ。
「あいつのことを
反対してるのは、
そういうことじゃない。」
要くんは溜息をついた。