メガネ殿とお嫁さま
「俺、
あいつのためなら、
理太ちゃんが何でもしてしまいそうで、
恐いんだよ。」
要くんは、
静かに言った。
「要くん?」
「あいつのためなら、
全部捨てて、
急にいなくなるような気がしたんだ。
眼鏡だって…。
っていうか、
何か自然に隣にいて、
理太ちゃんが、
自然に笑ってたから。
あ、駄目だって反射的に思った。
理太ちゃんが危ないって思ったんだ。
変わるって、
俺らにとって恐怖でしかない。」
要くんの言葉は、
むつかしいけどよく分かるんだ。