メガネ殿とお嫁さま

「まさか。

僕なんて、
好きな女の子のことばっかりで、
何にも考えてませんよ。」

僕は笑って否定した。


「そうだろうか。
幕末や明治を動かしたのは、
教科書に名を残すものだけでしょうか。」


先生が言った意味がわからない。


「彼女たちは、
そんなに弱いものですかね。

きっと、
彼らも、君のように
彼女たちに振り回されていたと思いますよ?」


先生は、続けて言ったあと、
その場を後にした。



「ちょ…先生?」


僕は先生を呼び止めた。



「今日は、ありがとう。」

先生は、そう手を振った。


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