メガネ殿とお嫁さま
最初文句を言っていた要くんも
すっかり地元の人に溶け込み、
明日の早朝から
漁に行く約束までしてしまった。
早く寝なきゃと、
いそいそと布団を敷いて、
岩ちゃんと寝てしまった。
「僕は、この旅で、
自分が大きな勘違いをしてると
気がつきました。」
僕は涼むシュウくんに
話しかけた。
シュウくんは、
静かに聞いていた。
「みんな、
普通のいい人たちなんですよね。
一般の人の前で、
故意に金持ちアピールしないし、
人のために時間やお金を使ったり、
朝まで恋愛相談に乗ってくれたり。
要くんなんて、
すっかり馴染んじゃって。」
僕は、
この旅を振り返った。