メガネ殿とお嫁さま

最初文句を言っていた要くんも
すっかり地元の人に溶け込み、
明日の早朝から
漁に行く約束までしてしまった。

早く寝なきゃと、
いそいそと布団を敷いて、
岩ちゃんと寝てしまった。


「僕は、この旅で、
自分が大きな勘違いをしてると
気がつきました。」

僕は涼むシュウくんに
話しかけた。

シュウくんは、
静かに聞いていた。


「みんな、
普通のいい人たちなんですよね。

一般の人の前で、
故意に金持ちアピールしないし、
人のために時間やお金を使ったり、
朝まで恋愛相談に乗ってくれたり。

要くんなんて、
すっかり馴染んじゃって。」

僕は、
この旅を振り返った。


< 197 / 335 >

この作品をシェア

pagetop